2019-01-01から1年間の記事一覧

離散数学と線形代数と計算量理論の絶妙なコラボ本

今回は、マトウシェク『33の素敵な数学小景』(徳重典英・訳、日本評論社)の紹介をしようと思う。 33の素敵な数学小景 フィボナッチ数、タイル張り、アルゴリズムを線形代数で眺めてみると… 作者:J. マトウシェク 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2014/0…

二つの雑誌に寄稿しています!

現在、書店に並んでいる二つの雑誌に寄稿しているので、宣伝しようと思う。 ひとつは、『現代思想12月号 巨大数の世界』で、もうひとつは『現代化学12月号』だ。 現代思想 2019年12月号 特集=巨大数の世界 ―アルキメデスからグーゴロジーまで― 作者: 鈴木真…

経済学で最も大事だと思うこと

前回のエントリー、 宇沢先生のシンポジウムに登壇します! - hiroyukikojima’s blog で、宇沢先生の追悼イベントAll About Uzawaに登壇することを告知した。そこで、学会だけでなくテレビでも大活躍の阪大の経済学者・安田洋祐さんと(および作家の佐々木さ…

宇沢先生のシンポジウムに登壇します!

今週末、10月26日土曜日に、 「宇沢弘文没後5年追悼シンポジウム All ABOUT UZAWA」 が開催される。ぼくも一つのセッションに登壇する予定なので、大々的に宣伝したい。 詳しくは、以下で。 allaboutuzawa2019.peatix.com ぼくは、プログラム2「 宇沢が考え…

今回のミクロ経済学の教科書はどこが「斬新」なのか!

やっと、書店に新著『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』講談社が並んだ。前回のエントリー、 ミクロ経済学の教科書を書きました! - hiroyukikojima’s blog では、序文をさらしたので、今回はこの教科書に導入した工夫と込めた思いについてエントリーし…

ミクロ経済学の教科書を書きました!

前回のエントリー 来週、統計学の新書が刊行されます! - hiroyukikojima’s blog で予告した通り、ミクロ経済学の教科書が今週末に刊行されるので、その宣伝をしたい。タイトルは、『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』講談社、である。いやあ、これも編…

来週、統計学の新書が刊行されます!

この10月上旬には、ぼくの新著が二冊、同時に刊行される。一冊は統計学の新書、もう一冊はミクロ経済学の教科書だ。いろいろな事情があって、刊行時期が重なってしまった。 というわけなので、今回は、先に刊行される統計学の新書のほうを紹介し、次回に、ミ…

『大学への数学』9月号、10月号は是非読むべし

『大学への数学』東京出版は、高校生向けの受験雑誌だが、単に受験技術を身に着けるだけの雑誌にとどまらない。そのことは、前回、 面白さ満点の『零点問題集』 - hiroyukikojima’s blog にも書いた。今回は、それを受ける形で、先月に出た9月号と今月の1…

面白さ満点の『零点問題集』

今回は、黒川信重『零点問題集 ゼータ入門』現代数学社を紹介したい。 黒川さんは、これまでたくさんの著作を発表しており、ほとんどすべてがゼータ関数に関するものだ。本書ももちろん、ゼータ関数についての本ではあるが、「問題集」である、という点が異…

高木貞治の数学書がいまさら面白い

昨日、『天気の子』を観てきた。渋谷で夕方に観たんだけど、満員だった。客は若い子たちが大部分だという印象だった。 『君の名は。』も大好きだったが、『天気の子』も同じくらい好きな作品だった。とにかく作画がすばらしい。これがアニメか、と思えるくら…

文春に書評を寄稿しました!

『週間文春』7月18日号に書評を寄稿した。 評した本は、ジョージ・ギルダー『グーグルが消える日』SBクリエイティブ。 書評は、以下の文春オンラインで読めるので是非。 「古臭いビジネスモデルはもうすぐ消える?」 グーグルを滅ぼす新勢力とは何か | 文…

『完全版 天才ガロアの発想力』のお勧めポイント

『完全版 天才ガロアの発想力』技術評論社が、アマゾンにも入荷され、書店にも並んだので、前回に引き続いて、今回も宣伝をしたい。 【完全版】天才ガロアの発想力―対称性と群が明かす方程式の秘密― 知の扉 作者: 小島寛之 出版社/メーカー: 技術評論社 発売…

『完全版 天才ガロアの発想力』が今週末に刊行されます!

今週末、7月6日に、『完全版 天才ガロアの発想力』技術評論社が刊行される。これは、2010年に刊行された拙著『天才ガロアの発想力』技術評論社の完全版だ。 【完全版】天才ガロアの発想力 ―対称性と群が明かす方程式の秘密― 作者: 小島寛之 出版社/メーカ…

『楕円曲線と保型形式のおいしいところ』のおいしいところ

今、D.シグマ『楕円曲線と保型形式のおいしいところ』暗黒通信団を少しずつ読んでいる。これは、息子が父の日のプレゼントに買ってきてくれた本なのだ。 というのも、以前、息子がコミケに行くとき、暗黒通信団のブースも見てくる、というので、この本の購入…

チェビシェフの定理のラマヌジャンの鮮やかな証明

前回も書いた通り、素数についての啓蒙書を書く準備をしているので、いろいろ資料を集めている。「リーマン予想」にかかわるゼータ関数関係は、黒川先生の著作がたくさんあり、それでカバーできるので準備は十分。でも、「双子素数」関連の解説も入れたいと…

『リーマンの夢』とメルセンヌ素数予想と

今回は、黒川信重『リーマンの夢』現代数学社についてエントリーしよう。 この本は、一昨年(2017年)に刊行なので、少し時間がたってしまった。入手当時も一読しているが、今ぼくは素数についての啓蒙書を準備していることもあり、再読してみたのだ。すると、…

複素関数を感覚的に理解するには

このところ、複素関数論(複素解析)を復習してた。 というのは、素数についての本格的入門書を執筆中だからだ。ぼくは、一昨年(2017年)に『世界は素数でできている』角川新書を刊行した。この本は、素数について、お話だけじゃなく、ある程度きちんと理論の中…

『フランダースの犬』と社会的共通資本の理論

今回は、ウィーダ『フランダースの犬』について語ろうと思う。それも、この物語が宇沢弘文先生の社会的共通資本の理論の根拠づけになるんじゃないか、というちょっと突飛な視点だ。 ちなみにこのことは、前から考えていたんだけど、先日の資本主義研究会での…

文春に拙著の書評が掲載されました!

『週間文春』3月14日号に拙著『暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論』講談社選書メチエの書評が掲載された。 暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論 (講談社選書メチエ) 作者: 小島寛之 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/01/12 メディア: 単行本(ソフトカバ…

小学生向けの統計学の絵本が刊行されます!

今日あたりから、ぼくの新著が書店に並ぶ。 『宇宙人ミューとカイのかわいい統計大作戦』ミネルヴァ書房という本だ。 宇宙人統計本 この本は、小学校高学年の子供に統計グラフの読み方を勉強してもらうもの。 現在、文科省は統計教育に力を入れてて、高校で…

ビットコインの元論文の解説+抄訳を公開しました。

まず、前々回のエントリー 宇沢先生の思想について講演をします。 - hiroyukikojima’s blog で告知した来週の講演会のことを繰り返しておこう。 タイトル:宇沢弘文の思想~資本主義に代わる社会システム 日時:2019年2月15日(金)19:00-21:00(開場18:40)…

宇沢先生の思想について講演をします。

宇沢先生の思想「社会的共通資本の理論」を中心した講演を行います。資本主義研究会というところの行う「資本主義の教養学」 「資本主義の教養学」公開講演会 | PFC Insights というものです。 タイトル:宇沢弘文の思想~資本主義に代わる社会システム 日時…

坂井豊貴『暗号通貨vs.国家』SB新書は、めっちゃ面白い!

坂井豊貴さんの新著『暗号通貨vs.国家』SB新書を読んだ。来月(2月5日)発売の本なので、今はまだ、書店にはない。これは、「プルーフ版」というものらしく、要するに試供品みたいなもの。坂井さん(か、編集者さん)が送ってくださった。ありがとう! 暗号通貨V…

新著『暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論』が刊行されました!

ぼくの新著『暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論』講談社メチエが、大手書店には並び、アマゾンにも入荷されたようなので、販促の追い打ちをかけたい。暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論 (講談社選書メチエ)作者: 小島寛之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/…

来週、新著『暗号通貨の経済学』が刊行されます!

あけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願いいたします。 2019という数の持つ面白い性質をWEBRONZAに投稿した(2019に隠された数字の神秘 - 小島寛之|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト)ので、是非お読みくださいませ。 さて、来週、1月10日頃…