テイラー・スイフトを観てきますた

拙著『数学的思考の技術』ベスト新書は、な、なんと、発売二日で増刷になった。しかも、これまでの新書の増刷よりずっと多い部数の増刷となった。これはもうもう、小飼弾大明神のおかげ(404 Blog Not Found:数学的=普通 - 書評 - 数学的思考の技術参照)にほかならない。この場を借りてお礼を申し上げる。

数学的思考の技術 (ベスト新書)

数学的思考の技術 (ベスト新書)

それはともかく、今日、武道館でテイラー・スイフトのライブを観てきた。
すばらしかった。あまりにすばらしかった。
先日のYUIのライブ(遂に、YUIのライブに行ってきた。 - hiroyukikojimaの日記参照)もすごかったが、スイフトのライブも負けず劣らず、というか、違った意味ですばらしかった。
さすが、グラミーを最年少で受賞しただけはある。カントリーテイストの曲を、ポップに歌いこなす、あのテクニックは類を見ないものだ。顔もかわいいし、くりくりとした瞳と笑顔が魅力的だった。
演出も非常に工夫されていて、数度行われる衣装替えも、ダンスやスクリーン映像も申し分なかった。
とりわけ、客にハイタッチをしながら、ゆっくりとした歩きでバックステージに移動し、そこでギターを抱えて歌った数曲のすばらしさといったら。2階席の後ろのほうだったぼくには、このバックステージはかなり近い距離のこともあって、もう天国の心地だった。とくに、ウクレレで弾き語りをした「Fearless」のアレンジのかっこよさったらない。「15」にも胸が締め付けられた。
ただ一つ残念だったのは、マイクトラブルが2回も起きたこと。しかも、2回目は、「Enchanted」という最高の曲の途中、めっちゃ盛り上がるところ、つまりコンサートの最高の場面だったのはすごく不運。スイフトちゃんの落ち着いた機転で、浅い傷で済んだが、はらはらした分、演奏のすばらしさが半減してしまった。
 数年前まで、ぼくがカントリーミュージックを聴くなど、想像もつかなかったことだった。若い頃のぼくは、演歌とかフォークとかカントリーとかは、"やきのまわった"人間の聴くものだという、非常にうがった考え方をしていた。中学生のときに観に行ったジョージ・ハリスンのライブ映画「バングラディッシュ」では、ボブ・ディランの出番のときは、ラウンジに出てポップコーンを食べてコーラを飲んでいたくらいトンガッテいたのだった。
そのぼくが、今や、スイフトちゃんを含むカントリー・ミュージックの一部をとてもすばらしいと思っている。サーフ・ミュージックも聴けてしまう。そのうち、日本の演歌を聴くようになるのかもしれない。こぶしがどうとか、語り出すかもしれない。人生とはわからないものだ。まあ、人生のすばらしさは、前菜から始まって、デザートまで変化するフルコースを味わうことに喩えることができるだろう。ずっと、若いツッパリ感覚のまま、前菜だけで終わる人生も悲しいような気がするから、このような音楽観の変化もありなのだと、自己弁護しておく。
そういう意味では、今回の拙著『数学的思考の技術』ベスト新書は、ツッパっていた数学崩れのぼくとはかなり違った、新しい味わいのある本になっていると思う。そんなところを是非、ご賞味いただければ、と思う。
 グラミーといえば、上原ひろみスタンリー・クラークとのバンドでの受賞は、喜ばしかった。ぼくは、上原さんの演奏を一回だけ偶然観たことがあるのだ。それはとても小さいライブハウスで、彼女が出演するとはつゆ知らずに、遭遇したから驚いた。
それは、國田大輔というギタリストのライブにたまたま行ったときのことだった。客は、ぼくら夫婦を入れて全部で10数人くらいだったろうか。そのライブで、上原ひろみが飛び入りで演奏をした。何でも、國田とはバークリー音楽院でいっしょだった留学仲間ということでの飛び入り友情出演だった。そのとき、実はぼくは、上原ひろみというプレーヤーをよく知らなかった。しかし、彼女がピアノを1音弾いた瞬間に引き込まれた。これはめちゃくちゃすごいジャズプレーヤーだと瞬時で悟った。そのときから彼女のファンである。國田大輔は、たぶん、いずれ日本を代表するジャズ・ロック・ギタリストになると思うけど、このジャムセッションは本当に得した気分だった。
ああ、今回も、いつものようにとりとめがなくなってしまいますた。まあ、単なる日記だからね。それではまた。