ガロア生誕200年

ブログを書かないでいるうちに、もう一か月も経ってしもうた。
その間に、YUIのライブのチケットを手に入れたり、彼女の新譜を買ったり、やくしまるさんの「ノルニル/少年よ我に帰れ」を聴き狂ったりはしてたんだが、これといってブログに書くことがなかったので、空白になってしまったのだ。しかし、このままでは10月が何も書かないまま終わってしまうので、無理にでも書こうと思う。
 実は、昨日、ぼくの写真が、なんと! 新聞の朝刊の一面を飾ってしまった! でかいポイントで名前の入った記事だ。これが普通の新聞だったら大変なことだ。そんなのは、総理大臣か犯罪者くらいしかおるまいて。もちろん、ふつうの新聞じゃあない。朝日小学生新聞というのの朝刊の紙面だ。しかし、考えようによっては、これはとてつもなくインパクトなできごとじゃぞ。だって、毎朝、小学生向けの新聞を読んでる小学生に、どでかい記事で名前を知ってもらったわけだから、新聞読む小学生たちには、総理大臣なみ、犯罪者なみの有名人になるっつうわけだもんね。とてつもないことだわさ。
なんでそんなことが起きたのか、というと、昨日、2011年10月25日は、数学者エバリスト・ガロアの生誕200年にあたる日なのだよ。ガロアは、1811年10月25日生まれ。生きてれば200歳。(笑い)。いや、生きてればどころか、彼は20年しか生きることができなかったもんな。でも、その名前は、200年たった今も衰えるどころか、ますます輝きを増している。すばらしいことだ。
 ガロアのことは、たとえば栄光なき天才たち - hiroyukikojimaの日記とか、ガロアの夢、ぼくの夢 - hiroyukikojimaの日記とかで書いたので、ここではあえて誰だかは触れないことにする。
 今週は、大学の講義では、全講義で、ガロアの話をした。学生はみんな文系(主に経済学部生)なんだけど、そして、「解の公式」なんて忘却のかなたな人たちなんだけど、でも、多くの学生が目を輝かせて聞き入ってくれた。だって、ガロアみたいな奴は、数学なんて知らなくたって、興味なくたって、面白くてしょーがないよ。惚れちゃうよ。
 ぼくは、数学者にはなれなかったけど、いや、なれなかったからこそか、数々の数学のセレモニーに関与できて嬉しい。フェルマー予想が解決したときは、科学朝日や、数学セミナーや、プレイボーイ誌で数学ライターとして速報に携わった。リーマン予想については、黒川信重先生とリーマン予想攻略の秘密兵器とおぼしきもの(F1上のスキーム)について対談本リーマン予想は解決するのか』青土社を出せた。(もし、これで本当に解決したら、これはすんごいことだよ)。そして、ガロア生誕200年には、ガロア肖像画と並んで写真が(小学生向けとはいえ)新聞の一面に掲載された。そう思うと、果報者だと思う。数学の周辺にへばりついていたことへの、神様からのご褒美に違いない。
 それから、小学生のような幼少者に何かを啓蒙できる、というのは、とても意義のあることだと思っている。先日、サイエンス・コミュニケーターの内田麻理香さんとトークショーをしたとき、(詳細はジュンク堂でトークショーに参加します。 - hiroyukikojimaの日記)、終わったあとサイン会をしたのだけど、そこにいらしてくださった中に、ぼくが書いた絵本『パラドックス探偵団シリーズ』を小学生のときに読んで、それ以来、数学好きになったという青年がいて、ものすごくうれしかった。こういう人がどこか見知らぬところにいるのだ、と思うと、一つ一つの著作や連載で、がんばらずにはいられない。たくさんの大人に本が売れることもうれしいけど、たった一人の小学生を導くこと(道を誤らせること、笑い)も、それと同じくらいに嬉しいことなのだ。
 そんなこんなで、このエントリーに関連ある本をリンクしとくね。

天才ガロアの発想力 ?対称性と群が明かす方程式の秘密? (tanQブックス)

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リーマン予想は解決するのか? ―絶対数学の戦略―

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ミステリーな算数 (パラドックス事件簿)

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算数でホラー (パラドックス事件簿)

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算数ワンダフル (パラドックス事件簿)

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