2025-01-01から1年間の記事一覧

すごすぎるラマヌジャンのデルタ

新著『ラマヌジャンの数学 無限を掴んだ数学者』ブルーバックスの発売が来週となったので、前回に続いて、もう一度宣伝をしておきたい。 ラマヌジャンの数学 無限を掴んだ数学者 (ブルーバックス) 作者:小島寛之 講談社 Amazon 今回は、まえがきをさらすこと…

新著『ラマヌジャンの数学』が刊行されます!

ぼくの新著『ラマヌジャンの数学 無限を掴んだ数学者』がもうすぐ刊行されるので、宣伝したい。 ラマヌジャンの数学 無限を掴んだ数学者 (ブルーバックス) 作者:小島 寛之 講談社 Amazon この本は、数学者ラマヌジャンの業績を多面的に紹介する内容となって…

緑地と文化ー社会的共通資本としての杜

今回は、石川幹子『緑地と文化ー社会的共通資本としての杜』岩波新書を紹介しよう。 この本は、神宮外苑の再開発事業において、樹林の伐採が行われたことに対して、反対の意を唱え、その理由を明確に提示した書である。ちなみに「杜」は「もり」と読む。 緑…

全微分公式を正当化する数学

微分にまつわる公式の中で、「全微分公式」というのがある。 みたいなやつだ。ちなみに、は関数の方向の微分係数を意味しており、いわゆる「偏微分」である。この公式を教える人にはいろいろな立場がある。「形式的な表現にすぎない」とか、「微小量での近似…

鬼門だった国際経済学を克服できた

ぼくは、経済学者としての本業はゲーム理論、とくにその中の意思決定理論という分野だ。査読付きの国際学術誌に公刊した論文はすべてこの分野。でも、経済学の教員という仕事の上では、いろいろと知識がなくてはいけなくて、いろいろと勉強した。ミクロ経済…

D加群と触れあえる本

柏原先生がアーベル賞を受賞した。数学の伝統的な賞であるフィールズ賞は日本人3人が受賞しているけど、賞金額がノーベル賞に匹敵するアーベル賞は日本人では初めてなので大変めでたいことだ。 受賞理由は「D加群という理論を構築し、数学の新しい道を切り開…

『せいすうたん1』は数の宝石箱

今回は、関真一朗・小林銅蟲『せいすうたん1』日本評論社を紹介しよう。これはまるで、数の宝石箱のようなすばらしい本だ。 その前に、前回にも行った、ぼくが講義する市民講座の紹介を今回もやっておきたい。 早稲田エクステンションセンター 中野校 世界は…