2023-01-01から1年間の記事一覧

医療ベース資本主義

前々回と前回に続いて、新著の宣伝をしよう。新著は、『シン・経済学~貧困、格差および孤立の一般理論』帝京新書だ。この本では、貧困と格差と孤立を解決(ないし、緩和)する経済政策として、宇沢弘文先生の「社会的共通資本の理論」を推奨することに主眼が…

値段のないもの価値

いよいよ、ぼくの新著『シン・経済学~貧困、格差および孤立の一般理論』帝京新書が書店に並び、アマゾンにも入荷されたので、満を持して販促することにしよう。 その前に、ショックだったことをひとつ。それは、チバユウスケさんが亡くなったこと。彼の音楽…

シン・経済学

前回のエントリーでお知らせしたように、ぼくの新著が刊行される。刊行まであと一週間ぐらいになったので、販促を始めようと思う。タイトルは『シン・経済学~貧困、格差および孤立の一般理論』帝京新書である。 シン・経済学 ー貧困、格差および孤立の一般…

整数の中のランダム性

今年は、夏からあまりに忙しくて、このブログを更新する時間が取れなかった。 忙しさの最も大きな要因は、新書を書いていたことだ。しかも、普通の新書とはわけが違う。ぼくの勤務する帝京大学が、このたび、帝京大学出版会を立ち上げる運びとなった。そして…

2平方定理の幾何的証明

今回は、「2平方定理」について、数学書の中に幾何的証明を見つけたので、そのさわりの部分を紹介したい。読んだ本は、キャッセルズ『楕円曲線入門』岩波書店だ。この本は、楕円曲線(で定義される曲線)の数論を解説した本だが、p進体上の楕円曲線も含むのが…

万物は固有値である

最近は、NHK以外の地上波がおそろしくつまらないので、ケーブルTVで海外ドラマばかりを観ている。めっちゃ面白かったのは、『ナンバーズ』一挙放映と『アストリッドとラファエル』一挙放映だ。 『ナンバーズ』はFBI捜査官の兄と天才数学者の弟が協力して難事…

社会的共通資本を考える シリーズ1第2回『自動車の社会的費用』を読む、に登壇します。

京都大学社会的共通資本と未来寄附研究部門が主催する公開講座シリーズ、社会的共通資本を考える シリーズ1第2回『自動車の社会的費用』を読む、に登壇します。来週、3月28日(火)19:00~20:30です。興味あるかたはふるってご参加ください。以下は、京都大…

社会的共通資本を考える シリーズ1第2回『自動車の社会的費用』を読む、に登壇します。

京都大学社会的共通資本と未来寄附研究部門が主催する公開講座シリーズ、社会的共通資本を考える シリーズ1第2回『自動車の社会的費用』を読む、に登壇します。来週、3月28日(火)19:00~20:30分です。興味あるかたはふるってご参加ください。以下は、京都…

ドラマ総集編のようなすばらしい現代数論の入門書

今回エントリーするのは、山本芳彦『数論入門』岩波書店だ。この本は以前にも、このエントリーで紹介しているが、今回は違う観点から推薦したいと思う。 数論入門 (現代数学への入門) 作者:山本 芳彦 岩波書店 Amazon ゆえあって、最近またこの本を読み始め…

「知らなきゃならない」から「知りたい」へ

ちょっと前から自分の勉強法が変わって、昔の(学部時代の)自分への後悔をすることがたびたびある。今回のタイトルがそれ。昔の自分は数学について「知らなきゃならない」ことに責め立てられて、焦燥感の海で溺死した。もしも「知りたい」という欲求の中で勉…