2017-01-01から1年間の記事一覧

abc予想解決と数学の進化

先日、望月新一教授によるabc予想解決が、論文として正式に学術誌にアクセプトされたことが、朝日新聞一面で大々的に報道された。数学の結果がこれほど大きな紙面で報じられたのは今回が初めてような気がする。(記憶では、フェルマー予想のときも、ポアンカ…

高就業率・不況均衡の可能性?

ぼくのゼミでは、ゼミライブというのを毎年開催していることは以前にエントリーした(例えば、諦めなければ夢はかなう。望んだ形ではないかもしれないけど。 - hiroyukikojimaの日記など)。今年も、今月に7回目を実施した。現役のゼミ生とともに、卒業5年以…

小野善康『消費低迷と日本経済』は、賛否にかかわらず読んで欲しい本

小野善康『消費低迷と日本経済』朝日新書が刊行されたので、満を持して、紹介したい。消費低迷と日本経済 (新書639) [ 小野善康 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 820円「満を持して」とは、どうい…

数学の青写真をステキに語った本

今回は、いつものように黒川信重先生の本の紹介をエントリーしよう。紹介するのは、『絶対数学の世界』青土社である。絶対数学の世界 リーマン予想・ラングランズ予想・佐藤予想 [ 黒川信重 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 数学ショッ…

高校生の倫社・政経や、大学生の演習本にお勧めの本

今回は、久しぶりに文系の本をお勧めしようと思う。最近は、数学書ばかり紹介してたけど、思い出してみると、ぼくの本業は経済学だからね(笑)。 お勧めするのは、4人の気鋭の学者の共著『大人のための社会科』有斐閣だ。著者は、井手英策さん、宇野重規さん…

マリオ・リヴィオ『神は数学者か?』の解説を書きました!

つい最近、文庫化が刊行された、マリオ・リヴィオ『神は数学者か? 数学の不可思議な歴史』ハヤカワ・ノンフィクション文庫の解説を書いた。神は数学者か?―ー数学の不可思議な歴史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫〈数理を愉しむ〉シリーズ)作者: マリオリ…

Aimerのライブは、誠実さと斬新さの同居する奇蹟のライブだった

一昨日、女性ボーカリストAimer(Aimer Official Web Site)のライブに行ってきた。 Aimerは、ぼくが現在、もっともはまっているアーティストだ。(「魔法少女まどか☆マギカ」に打ちのめされた - hiroyukikojimaの日記とか、弱いゴールドバッハ予想が解決されて…

アニメ映画『打ち上げ花火』を観てきますた

今日は、アニメ映画『打ち上げ花火 下から見るか?横から見るか?』を観てきた。 観に行った理由は、昨年からアニメづいてしまっていて、特に今年に入ってから、『魔法少女まどか☆マギカ』に打ちのめされ(「魔法少女まどか☆マギカ」に打ちのめされた - hiroy…

みんな、こういう理系の大学教員のこと、どう思う?

[追記:8/21] いつになく話題になったようなので、少し補足する。ぼくの本からの引用で、前回は省略した部分を、書き加える。どのくらい親切に書いているかを知ってもらえば、こやつの「信じられなさ」が浮き立つと思う。(それに拙著の販促にもなると思うし)…

弱いゴールドバッハ予想が解決されていたらしい

素数の本を出した。『世界は素数でできている』角川新書という本だ。その本の販促は、前回(素数についての本が刊行されました! - hiroyukikojimaの日記)と前々回(もうすぐ、素数についての本が刊行されます! - hiroyukikojimaの日記)に行った。今回も、基…

素数についての本が刊行されました!

ぼくの新著『世界は素数でできている』角川新書が、ネット書店にも入荷され、リアル書店でも並んだようなので、もう一押し、販促をかけることとしよう。世界は素数でできている (角川新書) [ 小島 寛之 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書…

もうすぐ、素数についての本が刊行されます!

新著の刊行まであと一週間に迫ったので、そろそろ宣伝し始めよう。 来週、刊行されるのは、拙著『世界は素数でできている』角川新書。タイトルでわかる通り、素数について解説した新書である。【店内全品5倍】世界は素数でできている/小島寛之【3000円以上…

おまけ目当てで買うべきガロア本

7月は期末試験の準備と採点があって、なかなかブログを更新できない。そんな中だが、がんばって、数学書を一冊紹介しよう。それは、デュピュイ『ガロアとガロア理論』東京図書(辻雄一・訳、辻雄・解説)だ。とは言っても、この本を勧める理由は、デュピュイの…

ラマヌジャンの正当な評価がわかる本

今回は、黒川信重『ラマヌジャン探検 天才数学者の奇蹟をめぐる』岩波書店を紹介しよう。 素数についての新書を執筆していることは、前のエントリーにも書いた。もうゲラがあがってきているので、ちゃんと刊行されると思う(笑)。その新書は、言うまでもなく…

確率・統計は、マーケティングに使えるらしいぞ

今回は、マンガ統計学とマーケティングとアニメのことをクロスオーバーしてエントリーしようと思う。 昨年読んだ本として出色だったのは、森岡毅・今西聖貴『確率思考の戦略論』角川書店だ。この本は、著者たちが、確率理論を使ってテーマパークUSJを現実に…

『マンガでやさしくわかる統計学』が刊行されました!

ぼくの新著『マンガでやさしくわかる統計学』日本能率協会マネジメントセンターが、ネット書店にも入荷され、書店にも並び始めたので、ここできちんと紹介しよう。(ちなみに、前回もぼくの新著、マンガ統計学が出ます! - hiroyukikojimaの日記で紹介してい…

ぼくの新著、マンガ統計学が出ます!

ぼくの新著『マンガでやさしくわかる統計学』日本能率協会マネジメントセンターの刊行まであと一週間を切ったので、満を持して宣伝しようと思う。 楽天はこちら。マンガでやさしくわかる統計学/小島寛之/葛城かえで/制作薙澤なお【1000円以上送料無料】ジ…

棋士は、苦境の中でどう心を支えるか

今回は、将棋の現名人・佐藤天彦さんの『理想を現実にする力』朝日新書を紹介しよう。理想を現実にする力 (新書614) [ 佐藤天彦 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 820円この本の編集者さんは、実は…

将棋の実況解説のような数学書

今、素数に関する本を書いているので、素数についての資料を集めている。とりわけ、解析数論の本とゼータ関数に関する日本語の本は、片っ端から取り寄せている。今回は、その中から、小山信也『素数からゼータへ、そしてカオスへ』日本評論社を紹介しよう。 …

「魔法少女まどか☆マギカ」に打ちのめされた

今回は、最近に見た映像作品2つと、最近好きになったミュージシャンのことをエントリーしようと思う。 映像作品は、アニメ作品『魔法少女まどか☆マギカ』とホラー映画『残穢』、ミュージシャンはAimerだ。 まず、『魔法少女まどか☆マギカ』から。魔法少女ま…

現代思想『ビットコインとブロックチェーンの思想』

刊行されてから一ヶ月以上経過してしまったけど、ぼくも原稿を寄稿しているので紹介しよう。『現代思想』2017年2月号の「ビットコインとブロックチェーンの思想」だ。 [rakuten:hmvjapan-plus:14513012:detail] ぼくは、この本に「ブロックチェーンは貨幣の…

経済学者がこぞって読むべき物理の本

今回は、久々に物理学の本の紹介をしようと思う。紹介するのは、田崎晴明『統計力学I』培風館だ。この本の元となる原稿は、かなり前に入手していた。ぼくが、田崎さんにぼくの経済学の教科書を献本したら、田崎さんが、お礼に(しかえしに)TeXで作った原稿を…

新著『証明と論理に強くなる』は、ぼくの論理学への自問自答なのだ。

ぼくの新著『証明と論理に強くなる』技術評論社が刊行されたことは、前回にエントリーした(『証明と論理に強くなる』が、刊行されました!! - hiroyukikojimaの日記)。竹内薫先生の日経夕刊の書評のおかげで、アマゾンの在庫も楽天の在庫も一気にはけ、幸先…

『証明と論理に強くなる』が、刊行されました!!

ぼくの新著『証明と論理に強くなる〜論理式の読み方から、ゲーデルの門前まで』技術評論社が書店に並んだので、このタイミングで宣伝をしようと思う。前回のエントリーもうすぐ、ぼくの論理学の本が刊行されます! - hiroyukikojimaの日記では、目次をさらし…

もうすぐ、ぼくの論理学の本が刊行されます!

明けましておめでとうございます。昨年は、当ブログをご愛読くださりありがとうございました。 今年の初エントリーは、もうすぐ、1月11日に刊行されるぼくの新著の紹介をさせていただきましょう。(一部の書店では既に販売されているようです)。 本のタイトル…