2014-01-01から1年間の記事一覧

p進数の世界を旅しよう

いよいよ、2014年も終わろうとしている。このブログのエントリーを見直すと、今年もぼくにとって、さまざまなことがあった年だったなあ、としみじみする。 さて、このブログでは、本の紹介をすることが多いのだけど、これまでは原則的に、取り上げる本は、全…

サンデー毎日に、ぼくの宇沢先生への追悼コメントが掲載されました

現在、発売中のサンデー毎日12月28日号(12月17日刊行)の、「レクイエム2014下半期・あなたの思い出」に、「惜しまれつつ亡くなった人たち」の一人として宇沢弘文先生が取り上げられ、ぼくが思い出を語ったインタビューが掲載されている。これまで、いくつか…

音楽方面の近況をいくつか

12月になって、全くエントリーをできていないので、今回は音楽方面の近況を書いて、なんとかブログをつなごうと思う。 先週の金曜日(12月19日)に、トリコが主催するイベント爆祭vol.9に参加してきた。会場は、渋谷クラブクアトロ、ゲストはスプリングサマー…

六本木で赤い公園を観てきた。

今日は、六本木EXシアターで、赤い公園のライブを観てきた。 もう、今年、何回目だろう、赤い公園を観るのは。 恵比寿、原宿、六本木、渋谷と来たので、これで5回目だろう。 一つのバンドを追いかけ続けたのは久々のことだ。 原宿で観たときには、(メインじ…

ゼータの図鑑を一家に一冊

数学者のグロタンディークが、今月亡くなった、ということで、追悼の意味を込めて、ゼータ関数の本を紹介しようと思う。ちなみに、グロタンディークは、1928年生まれ。奇しくも、9月にご逝去された宇沢弘文先生(宇沢弘文先生は、今でも、ぼくにとってのたっ…

変格推理小説・三大奇書の思い出

前回、小林泰三『アリス殺し』を紹介した(『不思議の国のアリス』は数学的? - hiroyukikojimaの日記参照)流れで、昔読んだミステリーの話を書こうと思う。 ぼくは、中学生のときからミステリーが大好きだった。 中学生のときは、ミステリー好きな同級生が数…

『不思議の国のアリス』は数学的?

ぼくは、小説ジャンルの中では推理小説が一番好きだ。 しかし、最近は、ほとんど新しい推理小説を読まなくなってしまった。それは、多くの売れている推理小説が、古典的なトリックの焼き直しに今風の物語やキャラクターを貼り付けただけのものだからだ。こう…

今日の毎日新聞夕刊の特集ワイド:「心を持った経済学」とは

今日(10月15日)の毎日新聞夕刊の特集ワイドで、宇沢弘文先生の思想についての大きな特集(一面ぶち抜き)が組まれている。「心を持った経済学」とは、というタイトルの樋口記者の記事。 とてもよく取材され、宇沢先生の実像に肉薄した特集になっている。毎日新…

宇沢弘文先生は、今でも、ぼくにとってのたった一人の「本物の経済学者」

経済学者の宇沢弘文先生が、9月18日に86歳でご逝去された。ご高齢だったので、遠からずこの日がやってくることはわかっていたし、覚悟をしてはいたつもりだけど、喪失感は予想以上のものだった。おととい、朝日新聞から電話取材を受け、ぼくの追悼の談話が昨…

算数オリンピックの長尾賞

算数オリンピックに、長尾賞という新しい賞が今年から設置され、最初の受賞者が決まったことを読売新聞が報じた。「考差点」というコーナーで「子供らに引き継がれる夢」と題した船越翔・記者(科学部)の記事だ。 長尾賞というのは、昨年の10月に31歳の若さで…

理系の高校生に読んでほしい社会的選択理論

今回は、坂井豊貴『社会的選択理論への招待』日本評論社を紹介しようと思う。この本は、刊行直後に手にしたのだが、じっくり腰を据えて読みたい、と思うあまり、今まで一年もの時間が経過してしまった。しかも、とても忙しいときに限って、逃避行動としての…

楕円曲線のお勉強によい本

最近、楕円曲線の理論を解説している数学書をいろいろ読んでいるのだけど、出色の本があったので紹介しようと思う。それは、シルバーマン&テイト『楕円曲線論入門』足立恒雄・他訳(丸善出版)だ。とは言っても、きちんと読んだのは、まだ第1章だけで、あとは…

イケメンたちが書いたイケメンな経済数学

先日、知り合いの数学者(大学の数学の先生)から「学生に経済数学を勉強してもらうのに、一緒に教科書を読もうと思うのだが、お勧めの本はないか」という質問を受けた。もちろん、ぼくが書いていれば、一も二もなくそれを勧めるのだけれど、笑、残念ながらま…

トリコの新譜がとても良い

やっと、数百枚の期末テストの採点を終え、成績も付け、ゼミ合宿にも行ってきたので、ブログを書く余裕ができた。今日は台風だから外出しないしね。 そんなわけで、とりあえず、聴いている音楽のことを書こうと思う。 今、リピートして聴いているのは、トリ…

ドラマ「ハードナッツ」がめっちゃ面白い

7月は、大学教員にとっては悪魔の月で、忙しすぎてブログをエントリーする余裕がない。 でも、何か書こう、ということで、最近はまっているNHKのドラマ「ハードナッツ〜数学girlの恋する事件簿〜」を紹介しようと思う。 このドラマは、現在、火曜日22時にNH…

ビッグデータは時代を変えるのか?

今回のエントリーでは、ぼくが寄稿した雑誌『現代思想2014年6月号』青土社の紹介をしようと思う。この号の特集は「ポスト・ビッグデータと統計学の時代」だ。現代思想 2014年6月号 特集=ポスト・ビッグデータと統計学の時代作者: 西垣通,ドミニク・チェン,竹…

「同じと見なす」ことの素晴らしさと難しさ

これまで三回にわたって、ぼくの新著『数学は世界をこう見る 数と空間への現代的なアプローチ』PHP新書の販促エントリーをしてきた(これとこれとこれ)。四回目の今回は、もう少し内容に踏み込んだエントリーをしようと思う。数学は世界をこう見る (PHP新書)…

下北沢でトリコ(Tricot)を観てきた。

今日は、楽しみにしていた、下北沢クラブQueでのトリコ(Tricot)のライブに行ってきた。 下北沢クラブQueはたぶん、20年弱ぶりだと思う。というか、行ったのは一回だけで、今日で二回目だった。 20年ぐらい前に行ったのは、記憶では、フィッシュマンズが出る…

数学は、人生を総動員して理解するとよいのだ、とわかった

ぼくの新著『数学は世界をこう見る 数と空間への現代的なアプローチ』PHP新書が、書店に並んで一週間ほどたつので、そろそろ販促第三弾のエントリーをしようと思う。数学は世界をこう見る (PHP新書)作者: 小島寛之出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2014/05…

世界を見つめる「思想」としての数学

ぼくの新著『数学は世界をこう見る〜数と空間への現代的なアプローチ』PHP新書が、書店に並び、アマゾンにも入荷されたようなので、前回(数学は異世界を創り出す - hiroyukikojimaの日記)に続いて、販促第二弾をエントリーしたいと思う。数学は世界をこう見…

数学は異世界を創り出す

今回は、来週刊行されるぼくの新著についての第一弾のプロモーションをしようと思う。 それは、小島寛之『数学は世界をこう見る〜数と空間への現代的なアプローチ』PHP新書だ。見本刷りも届き、アマゾンにもアップされたから、満を持して販促に励むことにし…

赤池情報量基準ってナニ?

ゴールデンウィーク突入で、本学ははざまの平日も特別休校になったので、一週間の連休。そんなわけで、科研の論文執筆を進めるとともに、統計学に関する新書の執筆を進めている。(編集者さん、ちゃんと休日返上で書いてますからね〜。アリバイ・アリバイ)。…

ミス・ユニバース日本代表の統計学

今、統計学系の新書を執筆している途中だ。ぼくの次の刊行物は、来月に出るPHP新書なんだけど(詳細はもう少し時間が経ってからで紹介する)、その次に刊行すべく今執筆中なのが、統計学についての新書ということ。おまけに、来月に出るある雑誌の統計学の特集…

赤坂ブリッツで、Tricotのワンマンライブを観てきた。

今日は、赤坂ブリッツで、Tricot(トリコ)のワンマンライブを観た。Tricotとは、女子3人、男子1人の若いバンド。ジャンルを特定するのは難しいが、ぼくはあえてプログレに分類している(したい)(渋谷でトリコのライブを観てきますた - hiroyukikojimaの日記)…

またまた双子素数の研究が進んだようだ。

つい先日に、またまた双子素数予想についての研究が進んだことがネット上で話題になった。 「双子素数予想」というのは、「差が2の素数の組が無限に存在する」というものである。3と5とか、29と31とか、間に偶数を一個だけ夾んだ双子素数は、探してみればわ…

来週(3月10日〜3月14日)に、ラジオに出演します!

来週(3月10日〜3月14日)に、ラジオに出演するので、宣伝させてほしい。 以下のスケジュールである。 ラジオNIKKEI第2 Groovin’×Groovin’ 3月10日(月)〜3月14日(金) 出演時間は、毎日午前11:00からの5分間 番組のHP(こちら→RN2)に、ぼくの自己紹介が(期間限定…

胸キュン小説をあなたに

今回は、バレンタイン企画として、胸キュン小説を紹介しようと思う(笑)。 その前に、お約束のライブの話を少々。 先週の木曜日に、原宿のアストロホールというところで、またまた赤い公園のライブを観てきた。これで今年(しかも、一ヶ月半で)三回目である。…

なぜ複数の天才が同期に生まれるのか

森内俊之名人・竜王に、新著『覆す力』小学館新書をご献本いただいたので、さっそく読んだ。すごく面白い本だったので、皆さんにもお勧めしたい。覆す力 (小学館新書)作者: 森内俊之出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/02/03メディア: 新書この商品を含む…

赤い公園のライブのこと、森内二冠の就位式のこと

先週は、ぼくにとって楽しみなイベントが二つあった。一つは、バンド・赤い公園の出演するライブ、もう一つは、森内俊之二冠の竜王就位式であった。 「赤い公園」というガールズバンドに惚れ込んでしまったことは、前回(三角関数も進化する - hiroyukikojima…

三角関数も進化する

今年初めてのエントリーは、三角関数の進化型の解説をしようと思う。 その前に、まずは、近況をいくつか。 新年早々嬉しかったのは、新著『数学的決断の技術〜やさしい確率で「たった一つ」の正解を導く方法』朝日新書が、刊行1ヶ月を待たず増刷が決まった…