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緑地と文化ー社会的共通資本としての杜

今回は、石川幹子『緑地と文化ー社会的共通資本としての杜』岩波新書を紹介しよう。 この本は、神宮外苑の再開発事業において、樹林の伐採が行われたことに対して、反対の意を唱え、その理由を明確に提示した書である。ちなみに「杜」は「もり」と読む。 緑…

全微分公式を正当化する数学

微分にまつわる公式の中で、「全微分公式」というのがある。 みたいなやつだ。ちなみに、は関数の方向の微分係数を意味しており、いわゆる「偏微分」である。この公式を教える人にはいろいろな立場がある。「形式的な表現にすぎない」とか、「微小量での近似…

D加群と触れあえる本

柏原先生がアーベル賞を受賞した。数学の伝統的な賞であるフィールズ賞は日本人3人が受賞しているけど、賞金額がノーベル賞に匹敵するアーベル賞は日本人では初めてなので大変めでたいことだ。 受賞理由は「D加群という理論を構築し、数学の新しい道を切り開…

とにかく、三度の飯よりフェルマーが好きだった

今回は、昔話を書こうと思う。 少年の頃は、とにかく数学者フェルマーが好きだった、という話だ。 その話の前に前回に続いて、市民講座の宣伝をば。 生涯学習の市民講座である早稲田エクステンションセンターでぼくがレクチャーする一般人向けの夏期講習。そ…

整数の中のランダム性

今年は、夏からあまりに忙しくて、このブログを更新する時間が取れなかった。 忙しさの最も大きな要因は、新書を書いていたことだ。しかも、普通の新書とはわけが違う。ぼくの勤務する帝京大学が、このたび、帝京大学出版会を立ち上げる運びとなった。そして…

2平方定理の幾何的証明

今回は、「2平方定理」について、数学書の中に幾何的証明を見つけたので、そのさわりの部分を紹介したい。読んだ本は、キャッセルズ『楕円曲線入門』岩波書店だ。この本は、楕円曲線(で定義される曲線)の数論を解説した本だが、p進体上の楕円曲線も含むのが…