久しぶりに近況です

いやあ、なんだかいろいろとあって、なかなか更新できなかった。
今日も、まだ、いろいろあるので、濃厚な日記を書くことができないので、「生きてますよ〜」程度の近況報告をば。

最近での一番の衝撃は、パラモア(Paramore)の再来日だね!
おととしは、それこそ、体調管理を万全にするほどにして臨んだパラモアのライブ。ヘイリー・ウィリアムスの美少女ぶりにむせび泣いたオンエアーでのライブだった。現在、パラモアは、3枚目の傑作アルバムを出して、UKでは初登場1位、USAでは初登場2位を獲得する快挙。なぜか、日本では人気がイマイチらしく、2月の公演は、難なく2日ともゲットできてしまった。つれあいと息子を二日とも動員するのはいかがなものか、と思いつつも、それより、洋系アイドルに熱狂する父親の姿を息子に見せてしまっていいのか、と一抹のとまどいが隠せないことはある。
とにかく、今回のアルバムBrand New Eyesのできったら、すばらしすぎる。あまりにすごすぎて、ここ数ヶ月、このアルバムしか聴いてないぐらいだ。最新のMTVビデオBrick By Boring Brick(通称BBBB) が、とんでもなくすばらしく、ヘイリーの美女ぶりをいかんなく発揮するだけではなく、ジム・ヘンソンマペット映画を彷彿とさせるブラックホラーなメルヘンは、とりはだがたつほどすばらかし〜。(http://wmg.jp/paramore/video/index.htmlで見れます) 。とにかく、二月の公演までは、病気などしないように節制するってことだね。

新井紀子『数学は言葉』以降、あまり本は読んでない。めずらしく書評を二冊引き受けちまったので、二冊を仕事として読んだだけかな。何の本にかんする書評は、掲載時のお楽しみ、ということで。そのとき報告する。仕事で本を読むほど悲しいことはないんだけど、今回の二冊は相当に面白く、そういう危惧はいらなかった。
 じゃあ、このところ何してたか、というと、いくつか論文を読んでた。重要なものとしては、松島斉さんのバブルに関する論文と、小野善康さんの小野デフレ不況理論の最新の論文。これはどちらも、次のぼくの新書で論じる予定。松島さんの論文は、バブルがナッシュ均衡として合理的に起きることを主張してるみごとなモデルなんだけど、基本的には小野モデルと似たようなことを述べていると思える。なぜなら、デフレ不況というのは、貨幣という資産に関するバブルと同じだからだ。いや、それは言い過ぎか。基本的に全く違うプロットのモデルだからね。で、気になるのは、松島論文で出てくるグラフが、物理学で有名なイジングモデルのグラフにそっくり、ということ。いずれ、まじめに論じるけど、イジングモデルは経済学的にもインパクトの大きいものだ。要は、磁力のない物質も、温度を下げていくと、ある温度で突如として磁石になってしまう、ということ。この原理は、ミクロの物質が「全体の統率力」に従うか、それとも「乱雑になりたい」というエントロピーの力に従うか、そのせめぎ合いによって磁力を生ずる、という、それこそ経済学にも含意の豊富なモデルなのである。いつか、イジングモデルを経済に応用しよう、と思ってたら、それも最近の経済物理の論文でやられてしまったらしい。この話もいずれ。松島論文とイジングモデルに関連があるかないかは、詳しく分析してみないとわからないんだけどね。小野さんの最新論文は、小野モデルを完全に具体的な関数によって動学的にきちんと解いているもので、これを読んでやっと小野モデルが隅々まで理解できた気がした。やはり、動学的にきちんと具体的に変分法で解けるモデルというのは、それがどの程度現実をシミュレートしているかどうかはともかく、経済現象の動学的な理解を著しく助けてくれると思うのだ。そんなこんなでまた次回。