もうすぐ、素数についての本が刊行されます!
新著の刊行まであと一週間に迫ったので、そろそろ宣伝し始めよう。
来週、刊行されるのは、拙著『世界は素数でできている』角川新書。タイトルでわかる通り、素数について解説した新書である。
【店内全品5倍】世界は素数でできている/小島寛之【3000円以上送料無料】
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他
- ショップ: bookfan 1号店 楽天市場店
- 価格: 864円
『世界は素数でできている』目次
□第一部 素数のふしぎ
第1章 世の中は素数でいっぱい
第2章 素数にハマった数学者たち
第3章 素数についてわかったこと・未解決なこと
第4章 素数の確率と自然対数
□第二部 素数が作る世界
第5章 RSA暗号はなぜ破られないのか
第6章 虚数と素数
第7章 難攻不落! リーマン予想
第8章 素数の未来
多少の補足をしよう。
第1章は、「素数がいかに世の中に興味を持たれているか」について、ライトに書いた。ぼくが監修として関わったドラマ『相棒』とドラマ『電子の標的』の裏話にも触れている。
第2章は、ピタゴラスから、ラマヌジャンまで、素数にハマった数学者たちの歴史をたどっている。
第3章は、ウィルソンの定理とか、メルセンヌ素数について解説したあと、古典的な予想、例えば、双子素数予想とか、ゴールドバッハ予想とか、奇数の完全数予想とかについて、できるだけ最新の結果を投入している。
第4章は、素数定理の確率解釈を説明した上、自然対数と素数の関係について解説している。
第5章は、素数を使ったRSA暗号の仕組みを、できるだけわかりやすく説明し、安全素数についても数学的に解説している。
第6章は、複素数の中で素数を研究する、数体の理論を紹介する。その上で、他の啓蒙書にはほとんど扱われていない、コンピューターによる素因数分解「数体ふるい法」を紹介している。最後には、量子コンピューターの原理を述べ、それがRSA暗号を破る可能性について解説している。
第7章は、リーマン・ゼータ関数とリーマン予想の総合的で初歩的な解説。他の啓蒙書よりは、わかりやすく書けたと(自分では)思う。
第8章は、素数を使った有限体の原理を説明し、最新の素数判定法AKSアルゴリズムを紹介している。クライマックスとして、有限体上の楕円曲線についてのハッセの定理を経由して、ラマヌジャン・ゼータ関数についてのリーマン予想に対して、その証明のアイデアを紹介してしめくくっている。
いやあ、ほんとに素数づくしの本となったす。是非、書店で手にとってみてくださいな。