ワンダフルワールドエンドの舞台挨拶を見てきますた

 今日は、映画『ワンダフルワールドエンド』の初日舞台挨拶に行ってきた。
ゲストは、監督の松居大悟さんと、主演の蒼波純さん。映画の初日舞台挨拶というのに初めて参加したのだが、お目当ては、蒼波純さんだった。松居監督と純ちゃんのサイン入りのパンフレットをゲットしてほくほくであった。行って良かった。公式サイトは以下。
http://ww-end.com/
蒼波さんは、14歳のアイドル。ミスiD2014というのでグランプリに輝いたお嬢さん。ぼくは、何がきっかけで彼女のツィッターをフォローしたのか忘れたが、彼女のツィートをなんとなく読み続けてきていた。まだ、14歳の中学生だから、それこそ、14歳らしい素朴なツィートをしているにすぎない。彼女が寝る前に写真をアップする「おやすみじゃんけん」に、パソコンの前で参加するのは、つれあいにも息子にも内緒の愉悦である(とほほ)。
びっくりしたのは、その(秘蔵のアイドル)蒼波さんが、我らが橋本愛さんとW主演で映画に出る、と知ったときだった。橋本愛さんは、ぼくが最近、超注目・超絶ファンの女優さんで、このブログでもyuiとユイのすばらしいコラボ〜フラワーフラワー『色』 - hiroyukikojimaの日記とか、ドラマ「ハードナッツ」がめっちゃ面白い - hiroyukikojimaの日記とかなどで、推しまくっている人である。その橋本愛ちゃんと蒼波純ちゃんが、映画で共演なんて、びっくりにもほどがあった。
 ぼくは、アイドル道には、なんとかがんばって距離をとってきた。落ちないようにけっぱってきた。ガールズポップのファンとなる場合も、その女性ボーカリストの顔がどんなに好みだって、「音楽がいいからです」と言い訳ができる。女優さんが目当てで映画を見に行っても、「その映画に興味があるからです」としらを切れる。でも、舞台挨拶に行ってしまう、ということは、もう、アイドル道地獄に落ちる、ということだ。しかし、橋本愛ちゃんと蒼波純ちゃんのW主演となってしまった今、とりつくろうことはできなくなった。「監督のファンです」というふりをしながら午前中に一度整理券を取りに行き、おかげさまで最前列で純ちゃんのトークに酔いしれてしまった次第だ。純ちゃんは、ツィッターと変わらない素朴な女子中学生だった。そうは言っても、生粋のアイドル、そのかわいさは想像以上だった。毒を食らわばなんとやら、もう、臆面もなく、アイドル地獄に落ちる覚悟である。
 映画『ワンダフルワールドエンド』は、とても良い映画であった。斬新な撮り方をしているが、実験的というほどではない。かといって、単なるアイドル映画とは完全に一線を画している。一言でいうなら、痛々しくも美しいガールズ・ロック・青春・ゴスロリ映画、という感じだった(一言じゃないじゃん。笑)。
 監督が若いせいもあって、瑞々しい感性で描かれている。ぼくは映画文化には詳しくないので、ピントをはずしているかもしれないが、手法的に思い出されるのは、アメリカ映画で言えば、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、邦画で言うなら、岩井俊二監督(例えば、『リリィ・シュシュのすべて』とか)や、森田芳光(『の・ようなもの』とか)などかな。なんというか、ドキュメンタリー・タッチのフィックションに、ストレンジなフレーバーを加味して、だんだん「吹っ飛んでいく」みたいな感じと言えばいいだろうか。今後の動向に目を離せない監督だと思う。
 役者としては、橋本愛ちゃんも蒼波純ちゃんも、それぞれに良かった。
 橋本さんは、本領発揮という演技だ。朝ドラ「あまちゃん」とか、「桐島、部活やめるってよ」とか、「大人ドロップ」とか、「寄生獣」とかの、橋本愛キャラ炸裂という感じ。橋本さん特有の「秘めたる爆発感」がみなぎっている。とりわけ、愛ちゃん演じる落ち目のアイドルが、自撮りライブ動画でファンと交流しているシーンは秀逸だった。
 蒼波さんは、スクリーンデビューという初々しさで、素の蒼波純なのか、それとも虚像なのか、区別のつかないような独特感が出ていた。ゴスロリ・ファッションもみごとにはまっており、ゴスロリ女子って、こういうある種の「喪失感」があるんだろうな、と身体的な説得力があった。今後の活躍が期待される、というか、応援したいアイドルさんである。
 このままで終わると、いい歳してアイドル道に落ちたかわいそうなおぢさんになってしまうので、多少は「文化人」っぽいところを見せておこうと思う。
 ぼくが、橋本愛さんの映画DVDを続々とレンタルして見始めたのは、(愛ちゃんの熱狂的なファンである以外にも)理由があるのだ。それは、「最近の少女マンガについて行けなくなって焦った」ということだ。ぼくは、中高生の頃からずっと長い間、少女マンガが好きだった。少年マンガより好きだった、と言っても過言ではない。萩尾望都大島弓子竹宮恵子の御三家から始まって、陸奥A子のアイビーマンガや、山本鈴美香の「エースをねらえ」など好きな作品は枚挙のいとまがない。比較的最近の作品でも、紡木たく「ホット・ロード」とか、矢沢あいNANA」も面白く読んだ。そんなぼくが、最近の、「ストロボエッジ」とか『L♥DK』とかに接触して参ってしまった。全く入れない、というか、はじかれる、というか、理解できなくなってしまったのだ。
 それで、「おれは青春を喪失したおやぢになってしまったのか」と当惑したのである。まあ、もちろん、それならそれでいいし、仕方なかろう。でも、簡単に(青春を)諦めるのは嫌だったので、最近の映画で描かれている「青春」はどんなものなのかな、と青春映画を見始めたのであった。特に、橋本愛ちゃんが出ているものを中心に。
 そうしたら、なんということでしょう。ちゃんと、共感できるのであります。泣けるのであります。青春は、今も昔と変わらず、痛々しく美しいものなのでありました!
 もちろん、いまふうの病みかた、デフォルトした感覚というのはあるのだとは思う。そりゃあ、時代が違うのだから、同じじゃない。そうであることは前提として、ぼくらの送った青春とそんなには大きく変わらないではないか。そう思えて、安心した次第である。
橋本愛ちゃんが出ている青春映画として、お勧めなのは、『大人ドロップ』である。

この作品は、愛ちゃんがすばらしいことは言うまでもないが、共演の小林涼子ちゃんも相当に良い。なにより、高校生時代の男子の、ひとりよがりで「押しつけ的な」恋愛が、「だよなあ」、「だったよなあ」、とこそばゆく感じられて良いのである。
いつだって、恋愛は、女子のほうが上手なのだ。男子は、いつまでたっても、そして最後の最後まで、勘違いを続けるものなのだ。