NUMB3RSを観た。

 数学推理もの - hiroyukikojimaの日記で紹介したアメリカのテレビドラマ『NUMB3RS:天才数学者の事件ファイル』dfltweb1.onamae.com – このドメインはお名前.comで取得されています。が、ちょうどケーブルテレビで配信されていたので、3本ほど見てみた。なるほど実に面白い。日本のドラマでいうと、ちょっと前にやってた「ガリレオ」に近いと思うけど、テンポはずっと速く、1時間観ただけで、一本の映画を観たぐらいにどっと疲れる。
 なんで観たか、というと、告知:ラジオに出ます。 - hiroyukikojimaの日記で告知したように、先週、J-WAVEの番組にゲスト出演して、確率について解説するので、そのネタにと思ったからである。
 このJ-WAVEの番組PLATOnの仕事は、存外に楽しかった。アンジャッシュの渡部さんは、非常に頭のよい人で、ぼくの解説を瞬時に理解して、うまくツッコミを入れて盛り上げてくれる。さすが、知性派の芸人だな〜、と思った。それよかすごかったのは、もう一人のゲストの矢吹春奈さん(この人→http://www.rip.ne.jp/talent/yabuki.html)。放送が始まったとたん、「今、Tバック、はいてます」発言。うちあわせでは、「じゃ、最初にツキについて、話しましょうか」程度だったので油断してたら、これだから。なんつったって、すぐ隣の30センチのところに座ってるわけよ、春奈ちゃんが。(ちなみに渡部さんは向い側) 。もう、それからは、Tバックがぼくの頭の中をぐるぐると旋回し、平常心でいられなくなる。せっかくだから、ご尊顔を頭に焼き付けよう、と横を向くのだけど、そうすると、頭をTバックがぐるぐる回る。いやあ、のぼせました。湯あたりならぬ、グラドルあたりでおます。渡部さんのみごとなフォローと好対照に、春奈ちゃんは、とにかく暴走しまくる。何言い出すか想像がつかず、制御不能という感じで、さすがグラドルは生命体として別種のものだな、と実感させられた。
 それはいいとして、話を『NUMB3RS』のほうに戻そう。このドラマでは、兄がFBI捜査官で、弟が数学者という設定。兄の関わる事件を、弟が数学を使って解決する、という風になっている。ぼくが観た作品では、「銃声の音声記録を音の波動解析をして、現場の再現をする」とか「FBIを銃で襲撃した犯人の動きをブラウン運動で解析して真相を暴く」とか「フィッシング詐欺のマフィアを暗号を解いて逆探知する」とか、それはそれは数学・物理ファンのぼくにはこたえられない、充実した内容になっている。
 まだ、このドラマを3回観ただけだけど、このドラマが裏のテーマとしていることがなんとなくわかった気がした。それは、「人間は事件について先入観にとらわれ、本質を見逃すけど、数学はそこをクールにあぶり出す」ということだ。兄の捜査官は、警察官の経験から、犯行について断定的な結論を持って来がちになるんだけど、それを弟の持ち出す数学(数理というべきかな)が、冷徹に否定し、そして意外な真相を暴くのだ。
 このことは、ぼくの今のテーマとすごく関係あるので、とても参考になった。実は先日、大学での「入門ミクロ経済学」の講義で、唐突に思いついて、こんな話をしたのだ。
「経済学では、なぜ、現実の生臭い経済活動を数学で記述するのだろうか。君たちは、そんなことをせずに、普通の言葉で語ればいいじゃないか、と思うことだろう。でも、ぼくが思うにそれは、言葉の持つ固有の扇情的な力を打ち消すためであろう。言葉は、それが表している、指し示している事物以上に、人の感情にアピールする何かを持っている。それは使いようによっては、とても有用なものになる。歌の歌詞は、言葉が感情を動かすことを利用して人を感動させるし、政治家は有権者の心を動かすような言葉をわざと選ぶ。でも、経済学は、むしろ、人の感情を極力動かさないようにして、事実をクールに伝えることを目指している。だから数学で記述するのだと思う。感情的になったら、いかにそれが現実を突き詰めようとする営為であるとしても、もうそれは科学ではない。」
 『NUMB3RS』は、このぼくのテーマにとてもよい例証を与えてくれていると思った。
 それは、ともかく、Tバックの(鼻血出そう!)春奈ちゃんだ。実は、おとといの金曜日のドラマ「君、犯人じゃないよね」にゲスト出演して、準主役をはったのだ。もちろん、観ましたともさ。横30センチのところで、「今週、出るんですよ〜」と彼女がいったものだから、観ないはずがないっしょ。しかも、録画をしながら、オンタイムで観る、という周到ぶりさね。春奈ちゃんが、マイクオフのとき、その演技の中ですごく難しかった部分について教えてくれたので、そりゃ、もう、そのシーンは真剣に観ましたとも。(観た人は、たぶんどこかわかると思う)。ぴっかぴっかのグラドルだから、いっぱんぴ〜ぽ〜でおじさんのぼくなんかと個人的に話なんてしないだろうな、と覚悟していたのだが、とても性格の良い人で、それなりに、個人的に話をしてくれたんだね。最近観た面白い映画の紹介もしてくれたけど、それは教えないよ。

 うわあ、あっちいったりこっちいったり、よれった日記になってしまった。これ読んで、何を舞い上がってるんだ、見苦しいなあ、とか思ってる読者もいることだろう。なんとでもいいたまえ。だって、そんな風にいったって、うらやましいに決まってる、ってわかってるもんね。