エコシステム・イン・渋谷サイクロン

 エコシステムという名の日本のバンドのライブを渋谷で見てきた。
このバンドは、女子3人と男子1人のユニット。(http://www.ecosystem-web.net/index.htmlエコシステム - Wikipedia)。このバンドのライブに行きたくなったのは、ぼくが環境経済学を専門の一つにしているから、というわけでは全くない。だいたいからして、エコシステムなんていう汎用的な言葉をバンド名にすべきじゃないと思う。だって、検索かけたとき最初に出てこないよ。たぶん、バンド名を決めるときは、自分たちがいずれビッグになるなんて想像もしてないから、ネット検索のことなんか念頭になくつけるんだと思うけど、そういうとこはダメだと思う。あくまで、自分たちが大成功したあかつきのことをイメージして、いろんなことを先回りして練らないとね。笑い。
ぼくが、このバンドが気になったのは、CDTVという土曜の夜にやっている音楽チャート番組の3月のオープニングテーマに、このバンドの曲が使われてたからだ。たぶん、3月はずっとこのバンドだったんだろうけど、昨日の一週前の土曜に急に耳に入った。不思議だよね、それまでも聴いてたはずなのに、ある日突然、頭にインスパイアが来るのだ。なんか、すごく気になって、youtubeで映像を見て、「気になる」から「確信に近い」状態に変わった。それは、「境界線」って曲なんだけど、これは頭をがつんとやられた。ウソだと思ったら、youtube「ecosystem 境界線」って検索して、聴いてみてみそ。むちゃくちゃかっこいいすよ。
そんで、アマゾンでCDを買おうとしたら、売り切れだったので、翌日の日曜に、ツタヤで借りようと、二町分のツタヤをチャリでまわるがどこにも置いておらず、(我ながら、50過ぎたオヤヂのやることか、と思うが)、ガマンならなくなって、新宿までいってタワーレコードでやっと、ファーストアルバム「Jean」とシングル「ジレンマ」を入手。一回聞いただけで、「確信に近い」から「絶対の確信」に変わる。そこで、すぐさま、今日の渋谷サイクロンのチケットを入手したってわけさ。とにかく、先週は、この2枚のアルバムをヘビロテして聴きまくったのだ。

Jean

Jean

ジレンマ(期間生産限定盤)(アニメ盤)

ジレンマ(期間生産限定盤)(アニメ盤)

なんというか、これまで聴いて来たもの共通性を感じる。ぜんぜん勘違いなのかもしれないけど、アジアン・カンフ−・ジェネレーションとかストレイテナーとかフィッシュマンズとかの影響を感じるのだ。とりわけ、「Jean」に入っている「NO MAKE」には、フィッシュマンズの強い影響を感じた。とにかく、やろうとしていること、目指している音楽の方向性がめちゃめちゃいいと思う。(現段階で、それができてるかどうかはともかくね)。疾走するドライブ感、リズムの切り替え、シャープなギターのカッティング、メロディアスでいて、けれども、しっかりとリズムを固めるベース。すべてが、かっこいいと思う。大阪文化圏(ぼくは、大阪は日本じゃない、特殊な国家だと思ってる。笑い)を隠さないボキャブラリーと内容を備えた歌詞も、女子ボーカルバンドとしてアリだと思う。いや、そのはじけたとこが、すごくいいとさえ思う。
 今日のライブは、4バンドのうちの最初の登場だった。すごくラッキーだった。彼らだけを見て帰れるからね。客は数十人程度。客層はたぶん20代中心な感じ。ぼくは完全に浮いているので、腕組みとかして、ぎょーかい人のふりをしてた(笑い)。
ライブ演奏を見て、「絶対の確信」は「揺らがない信念」に変わった。ぼくには、彼らの未来が見える。きっと、そんな遠くない将来、武道館か、横浜アリーナで、彼らのライブを観ながら、「ああ、彼らのライブを最初に観たのは、渋谷の地下のライブハウスで、客も数十人だったっけなあ」と感慨深く思い出すことになるだろう。(絶対、この予言を的中させて欲しいものだぞ)。
曲は、(たぶん)、「Jean」から、「sola」→「境界線」→「コーヒー中毒」→「NO MAKE」とやって、それから、「夜の街」→「月夜のnet」(CDTVのオープニング曲)→「ジレンマ」(アニメ『銀魂』のテーマ曲)という感じだったと思う。現在手に入る曲はすべて好きだったから、どういうセレクトでもよかったけど、今夜の曲順もすばらしい。とりわけ、「夜の街」をライブで聴けたのは、得した気分だった。この曲は、単なるバラードに聞こえるけど、実は非常に複雑で画期的な作曲になっている。リズムの切り替えがあまりにスゴイ。こんな曲を書き続けることができれば、スターダムに行くのはそんなに難しいことじゃないと思う。
ぼくがみたところ、エコシステムを知っている客は数人しかいなかった感じだった。最初のうちは、ぼくを含む数人しかノッテなかった。でも、何曲か演奏されるうちに、みんなみるみる引き込まれていくのが手に取るようにわかった。バンドのステップアップとは、そういうものだと思う。そうやって、雪だるま式に客が増えていくのだね。
ぼくは、壺坂さんの声が死ぬほど好きなのだが、今日のライブは、彼女のボーカリストとしての実力は確認できたものの、音響が悪すぎて、あのすばらしい声を思う存分堪能することはできなかった。それは、次のクアトロのライブまでお預けだね。もう一つの目当てだった、ドラマーの空岡さんのプレイを観ることができたのは、感動だった。歌をくちずさみながら叩くのが、かわいい。そして、やっぱ、期待通りにスゴイ演奏テクだった。日本にも、巧い女子ドラマーが増えてきてとても嬉しい。最初に巧いと思ったのは、コーネリアスのドラマー・あらきゆうこさんだった。その後、YUIのバックのマイマイさんとか、「ねごと」(だいたい、このバンドも名前なんとかせーよ)の人とか。そして、空岡さん。いやー、かっこよかったす。叩いてる姿がもう、すばらしいね、痺れた。
 結局、今夜は、最初に出たエコシステムだけを観て帰ってきてしまった。若くて暇なら、全部観て酒飲みまくってくるんだけど、なんせ今、4冊の本を並行作業で書いている(乞うご期待)ので、とてもそんな余裕がないから、仕方なかった。でも、次のクアトロも行くけどね。
んで、帰ろうしたら、通路で、機材を片付け中のベースの後藤さん(とおぼしき女の子)に出くわした。あまりにラッキーだった。現物もまじかわいかった(カエラ似?)。やったとばかり、物販で買ったアーティストグッズのタオルをかざして挨拶をすると、お礼を言ってくれた。かわいかったわあ。とか、ほくほくで帰ってきたら、あとで、「サインしてもらえばよかった」ってことに気がつくが後の祭り。あ〜あ。なんて、あほな。すぐさま、大きなホールのアーティストになっちゃうだろうから、もう、チャンスねーだろうな。しょぼ。