日経朝刊での連載が始まりました!

今日から、日経朝刊の「やさしい統計学」でのぼくの連載が始まったので、購買しているかたは是非読んでみてほしい。普段は、「やさしい経済学」と題するコーナーなのだが、これからしばらくは統計学版の連載が行われるようだ。皮切りがぼくの「基礎を知る」篇というわけ。たぶん、というか、予定では、11回の連載になる。連載している間、このブログでも、新聞記事とシンクロして、補足的な説明をしようと思っている。
 原稿依頼の電話をいただきたときは、「ぼくは統計学の専門家ではないですよ」と正直に説明したのだけど、それでもかまなわないということだった。むしろ、専門的な説明より、一般の読者のかたが親近感を持てるような解説を望んでいるらしい、ということで、それなら、と引き受けた。
 確かに統計学に通じている人たちというのは、普通の学問分野とはちょっと異なる特性を持っているかもしれない。すなわち、統計に通じている人たちは、おおまかには、「理論家」と「ヘビーユーザー」に分類できるのだと思う。理論家は、統計学の基本原理(どういう妥当性でそういう計算をするのか)には精通しているが、学問、ビジネスなどでの具体的な応用法などには疎い。一方、ヘビーユーザーのかたがたは、学問分野、ビジネス分野両方に存在すると思うが、そういう人たちは、活躍している分野で統計を見事に生き生きと利用している一方、統計の原理的な部分については、あまり知識が(というか、興味が)ないのではないか、と思う。
だから、理論家に解説を書いてもらうと抽象的になりすぎるし、ヘビーユーザーに解説を書いてもらうと、「理由はともかくこう使え」的な一種のハウツーになってしまう。世の中の統計学の教科書にも、この二分法はあてはめることができ、数学がんがんで難解な教科書か、やり方については丁寧だが、「なぜそうするのか」はないがしろな教科書か、いずれかのように思える。
 そんなわけで、統計について、この二分法の中で中途半端なスタンスにあるぼくにこの話が来たのかもしれない、と憶測しているのである。
まあ、いずれにしても、この連載は、拙著『完全独習 統計学入門』ダイヤモンド社に書いた内容を、さらに噛み砕いて、その「発想」の部分を鮮明に打ち出したものになると思うので、新聞連載を気に入ったかたは、是非とも拙著のほうも手にとっていただきたい。

完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門

 
キンドル版のほうは、こちら。